発達支援には様々なプログラムがありますが、代表的なものには以下のような方法があります。
応用行動分析(ABA)
TEACCHプログラム
認知行動療法(CBT)
箱庭療法
発達論的療法(DIRFloortimeなど)
Affect Pathwaysでは主にDIRFloortime®を基に、子どもの独自の興味や動機づけを利用して、発達に適した活動やインタラクションを提供することで、子どもの成長を促すことを目指としています。
DIRとは、
D= Developmental (子どもそれぞれの発達に応じた)
I= Individual-Differences (個人差を考慮に入れた)
R=Relationship-Based (相互関係に基づいた)
アプローチのこと。
DIRの中核技法である「フロアタイム」は、一回20分程度、親や周りの大人が床(フロア)に降りて子どもと同じ目線で関わることにその名前の由来があります。
DIR/Floortime®には3つの主要な要素があります
1. 子どもの発達段階や能力に焦点を当て、子どもが次の発達段階に達するための支援を行います。
2. 子ども一人ひとりの独自のニーズや特性を理解し、それに応じたインタラクションや介入を提供します。
3. 子どもとの感情的な関係を築き、信頼関係を通じてコミュニケーションや社会的スキルを向上させます。
Floortime®についてもっと詳しく
フロアタイムの2つのポイント
1.子どもの導きに従い遊びながら発達支援を行います。子どもの自然と湧く興味に寄り添うことによって感情に入りやすくなるからです。しかし、そこにずっといるのではなく、そこから私たちのいる世界(Shared World)に引っ張ってくるよう導きます。
2.その上で、それぞれのFunctional Emotional Developmental Capacities (FEDCs)発達段階をマスターしていきます。
基本的発達段階(FEDCs)については、発達・学習の木のページに詳しく説明されています。
実際どのように遊ぶのでしょうか
1.『待ち、見て、思案すること』(Wait Watch Wonder)をします。子どもを観察することで、その子どもがその時に何に興味を持っているのかがわかります。
普段会話時に、子どもの対応や発言を待つことなく、質問と要求ばかりで気づかないうちに会話が一方通行になっているご家庭があるかと思います。思考プロセスに時間のかかるお子さんや、自分の意見をじっくり考えてから発言するお子さんは、自分を表現したり、考える力を育てるを機会を失ってしまっていることになります。この『3W』 (Watch Wait Wonder) を使い、待つことによって子どもが自分の考えていること、感じていることを伝える機会を持ちます。
2. お互いのやり取りを楽しくするために、私はどのような『あり方』をする必要があるのか、を見極める同調(Attunement)を行います。
3.Affect:包括的で、思いやりのある、豊かなアフェクト(気持ちの表現)を使い、人間関係に基づいたアプローチで介入を行うことで、子どもたちは親近感、温かさ、親密さを楽しむことを学び、他人を信頼したり、親近感や愛情をもって接することができるようになります。
4.お子さんの音や視覚、動きの処理方法やそれらの感覚の調整方法を観察し、個人差に注意を払いながら支援を行います。
支援士は、お子さんの主導に合わせながら常にたくさんの事を考えて対応しています。セッション前のお子さんの状態を考慮した上で、セッション中の発達段階(FEDCs)と状態を見極め、AGILE (Affect, Gesture, Intonation, Latency, Engagement) を取り入れながら、双方向コミュニケーションが何回続いているかを確認、丁度いい挑戦を与えるタイミングを見極め実行し、評価するなど、実は遊びの中でたくさんのことが行われています。
こちらの動画は、東京で行われたDIRの紹介セミナーです。設定から日本語字幕を出してご覧いただけます。
YouTube@ICDLGuenzel: Brief Intro to DIR at Neurodiversity Salon 1 (Tokyo)より
Affect Pathwaysでは介入前にアセスメントを必ず行います。子どもや子どもを取り巻く環境をよく観察し基本発達段階のどこに位置しているか、またさまざまな感覚に対する反応と対処行動など、その他子どもの特徴を十分に理解するために包括的なアセスメントをすることがより適切な発達支援を行う上で重要になるからです。
Affect Pathwaysのアセスメント詳細については、アセスメントのページをご覧ください。