迷走神経(Vagus nerve) は、脳から体に出る神経の一つで体の至る所に繋がり環境をコントロールする長い複雑な神経です。副交感神経の一つで、副交感神経は脈拍をゆっくりにしたり、心身の落ち着きを促すことは一般的に知られています。またストレスが続くと副交感神経の働きが低下し、なかなか疲労が回復しにくくなるとも言われています。
迷走神経に働きかけて落ち着きを促す方法はいくつかありますが、今回は温度に注目したいと思います。
迷走神経は低い温度(冷たい水など)にふれると良いと言われています(ヒートショックや急激な温度変化とは異なります)。冷たい水は迷走神経を刺激し、気持ちを落ち着かせ、ストレス反応を抑える効果があると言われています。冷たい水は私達に備わっている潜水反射を誘発し、迷走神経を活性化させて心拍数を低下さ せるためだとも言われています。現在ではたくさんの研究がされエビデンスも発表されています。
よく落ち着いてほしいときに水を飲んでもらう、徐々にシャワーを冷たくしていく、冷水に顔をつけると良いなど聞いたことがある人もいるかと思います。集中したり、心を清めるために滝行をするお坊さんもいるのもご存知だと思います。起立性調整障害がある知り合いの子どもも、温度が関係しているのか冬になって外の寒い外気に少しの間触れることで体調が良くなる日が増えているそうです。
このようなことで迷走神経の働きを活発にできる、気持ちを落ち着かせる助けになる、ストレス軽減の助けになると知っておくと、自分にも家族にも役に立つ機会があるかもしれません。