ニューロダイバージェントの子どもの子育て

ある保護者からハノイでどのようにしてニューロダイバージェントの子どもの子育てをしていますか?という質問をいただきました。ぱっと考えたときには特に特別なことはしてないよなと思いましたが、実は現在に至るまで様々な工夫や努力をしてきていたことを思い出しました。

まずは、自分自身が子供の特性を理解するために知識を増やすことです。子どもが幼稚園に行き始めてから、年齢や興味、ニーズが変わるたびにさまざまな学習をしてきました。今も続いています。また家の中の工夫も、今では私達の生活の一部になり意識することはほとんどなくなりましたが、毎日のルーチンや食事、睡眠時間、支援道具も本人を理解したうえで整えた環境です。新しいことを始めて慣れるまでには時間がかかります。環境設定でも、知識でも、ルーチンでも取り入れて習慣化するまで時間がかかり、時には昔の慣れた習慣が戻ってくることもあると頭で理解しておくことも大切かと思います。

 

保護者の集まり in Hanoi (日本語話者のみ)

来月SENIA Vietnamでは、日本語話者の保護者の集まりを開催いたします。

ハノイ市内で発達障害やグレーゾーン児の子育てをしている保護者が対象となります。

人の経験や考えを聞いたり、自分の経験を話したり、情報交換ができる場所になっていますので是非ご参加ください。

申込みはポスターQRコード、またはこちらのリンクよりお願いいたします。

日時:2月4日(火曜日)午前9:30−11:00

場所:さくらクリニック6階  (松尾医師も最初30分ほど参加くださいます)

参加費:50,000vnd (施設利用料)

持ち物:自分の飲み物

自閉症認定航空会社

飛行機内でじっと座っていられない、ベルトが閉められない、音が耐えられない、また飛行場の保安検査で順番を待っていられない、周りの目が気になるなど、自閉症がある子どもと旅行をする時は色々と旅行前から心配になることがたくさんあります。いままで飛行機内で理解が得られないため移動中肩身の狭い重いをしていたり、飛行機移動を躊躇していた家族がたくさんいたと思います。また、CAさんから心無い言葉をかけられた人もいます。ひまわり柄のストラップがあちこちの空港で認識され始めていますが、空港ごとにばらつきがありベトナムではまだ導入をされているのかもわかりません。

今回エミレーツ航空が世界初の自閉症認定航空会社となったと先週発表がありました。エミレーツでは自閉症の人、感覚過敏がある人などが旅行しやすくなるように様々な工夫や準備やスタッフトレーニングがされています。このような取り組みはニューロダイバージェント家族にはとてもありがたいことです。

今後このような航空会社が増え、発達の特性で飛行機に乗れない、乗せてもらえない、迷惑をかけるのが心配という不安が軽減されることを願っています。

詳しくはこちらへ(日本語)

ホームベージの記事(英語)

聞こえと聴覚情報処理障害(APD)

子どもにいつも何度も何度も指示を繰り返していると、聞こえてないのかな?耳が悪いのかな?と考えてしまいませんか。聞こえているのにもかからず指示が通らない時は、言語の理解の問題なのか、本人が理解できるように周りが伝えられていないのか、早口だったのか、周りに雑音があるのか、声が小さすぎたのか、他の事に集中しているときや気が散るものがあるときに話しかけているのかなど、色々考える必要があります。

もしかしたら、聞こえには問題がないけれど聴覚処理障害(Auditory Processing Disorder: APD)の兆候があるのかもしれません。APDを診断・治療することは現在困難といわれており、耳鼻科の先生でもチェックリスト(フィッシャー聴覚情報処理チェックリスト・小渕ら聞こえにくさに対する質問紙)を使いADPの可能性があるかどうかを見るだけで、あとは対処していくしかないと言われています。APDは脳の特性と言われているそうで、発達障がいの人にも見られることがあるようです。

まずはAPDの症状を少し理解することから始めてみましょう。

子供が音の意味を処理できない状態や耳で聞いた音と脳が処理する音との間に断絶がある。
聴覚情報を受け取り、記憶し、理解し、利用することができない。
慢性的な耳の感染症、頭部外傷、難産、鉛中毒などが原因となっている可能性がある。
7~8歳まで発達しないこともある。
ADHD、感覚処理問題、ディスレクシアの子どもも聴覚の問題を抱えることがある。
入力言語や受容言語が適切に機能していないため、表現言語に影響が出ることが多い。

それでは、自宅や学校ではAPDの可能性があるかどうか、どのようなことに気をつけて観察すればよいでしょうか。

例えばこのようなこと、気になっていませんか?

指示された後に 「え?」や 「なんだ?」と言うことが多い。
指示に従えない。
現在のトピックとは関係のないコメントをしばしば口にする。
会話についていけない。
言語発達の遅れの可能性がある。
周囲の雑音に気を取られることが多い。
読み、綴り、書きに苦労する。
短期記憶、長期記憶が乏しい。
単語や音の違いが聞き取れない。
教室での注意力や集中力に欠ける。
冗談や話をするのが苦手。

聞こえには問題がなく上記のことが気になることがあれば、本人が生きやすくなるよう工夫をしていきましょう。

こちらには、学校内でできるいくつかの対処法が紹介されています(英語)。また、こちらのクリニックのサイトにはAPDについて説明の説明や工夫が載っていますので、気になる方はこちらのリンクをご覧ください(日本語)。

 

 

 

失敗からのまなび

去年、息子の学校で開かれた講座、「Love & Logic」。
私はスケジュールの関係で参加できませんでしたが、前学期にこの講座を大学院で受講することができました。
このFacebookの投稿は、Love & Logicのコンセプトの一つがビジュアル化された良い例だと思います。

私は子どもにたくさんの成功体験をさせてあげたい、失敗してほしくないと思っていましたが、今は失敗も学びに必要な大切な要素だと思っています。失敗する前、失敗してからどのように親が関わっていくのかも私には大切な学びとなりました。

日本語ではまだ翻訳されたコースや本がないようですが、興味のある方はこちらをご覧ください。

https://www.loveandlogic.com/pages/parents