体の中のメッセージを感じる内受容感覚について

お腹が空いている、トイレに行きたい、喉が乾いている、暑い・寒い、疲れているなどを感じにくいお子さんは、そのまま過ごしていると身体のコントロールが効かなくなり急に爆発してしまったり、癇癪を起こしてしまったりします。身体の中のメッセージが脳に届きにくい状態になっている(内受容感覚がうまく働いていない)と考えられるからです。

皆さんは内受容感覚という感覚、聞いたことがあるでしょうか。とても大切な感覚です。ここに課題があると、いろいろな困りごとに繋がります。

こちらのビデオは自閉症の女性が登場し、自分の経験を交えて内受容感覚について述べています。

自動翻訳設定から、日本語を付けてご覧ください。

アメリカには内受容感覚訓練(Interception Training)を専門にする作業療法士(OT)もいます。

家庭でできる工夫としては、本や映画を見ながら出てくる登場人物の気持ちや行動の理由を親子で一緒に話し合う。Body Scan/Check-In を様々な状況のときにする(例:ご飯を食べる前にお腹に手を当ててみる、音を聞いてみる、食べたあとに気持ちや感じ方の違いを話してみる、走る前と後に心臓に手を当ててみる)などです。体内の感覚と理解を結ぶつけることで、少しづつお子さんも自分の内側の状態が言葉や指差しで表現できるようになっていきます。

 

映画「Sensory Overload 」

感覚過負荷「Sensory Overload」で癇癪を起こしたり、コントロールが効かなくなってしまうお子さんいらっしゃるかと思います。

感覚過負荷について作られた映画「Sensory Overload」がHuluで3月3日から配信される予定です。

これを見ると様々な気づきを与えてくれると思います。

映画予告 

この映画では、身体の外から入ってくる感覚に敏感になることはその人の欠陥ではなく、単なる個人の違いの一部であることを伝えています。私も頭痛がしているときは、部屋の明かりが眩しく感じたり、疲れているときは普段気にならない音も気になって落ち着きません。このメッセージは、誰もが安心して成長できる空間(インクルーシブな環境)を作ることの重要性を強調している映画です。

2月:まなびカフェ開催のご案内

2月のまなびカフェのお知らせです。

こどもの中耳炎と脳を育てる五感についてお話を聞きに来ませんか?

参加費は無料です。また、託児はありませんがお子様連れが可能となっております。

先着20名となっておりますので、お誘い合わせのうえお早めにお申込ください。

時間や場所の詳細は申込みQRコードからご確認ください。

 

SENIA 2月ランチ会のご案内

多国籍の保護者が集まるランチ会です(発達障がい・グレーゾーンのお子さんの保護者)。
是非一度ご参加ください。
申込みはポスターQRコード、もしくはこちらのリンクから。
日時:2月19日(水)午後12時から13時半
場所:Tung’s Kitchen Vietnamese Cuisine & Vegetarian Food (地図
申し込み:リンク
費用:自分のランチ代
質問のある方は、info@affectpathways.com (千葉)までご連絡ください。

5歳児健診

2028年までに5歳児健診100%を目指すことが決まっています。

いままで推奨とされてきた5歳児健診、こども家庭庁は心身の異常の早期発見のため義務化を決めました。義務化については、賛成意見もあれば懸念する声も上がっています。

早期発見のお陰で支援介入を早いうちから入れられるお子さんもいれば、小学校に入る前から発達障がい・発達障がいもどきと診断されるのはどうかという声も聞かれます。日本国内では診断名がつくことによって得られる公的支援や費用補助などありますが、海外に住んでいると公的施設や資金援助はありません。しかし、うちのこどもちょっと違うかもと疑問を抱えて子育てをする保護者にとっては答えがはっきりしたり、実際に発達障がいであれば支援に早くつなげることができると思います。

幼稚園までは、お寺付属、クリスチャン系、お勉強中心、遊び中心、モンテッソーリ、レッジョ・エミリア、バイリンガル、インター幼稚園など様々なカリキュラムやスタイルがあり、こどもに合わせて選ぶことができます。しかし、小学校にあがると文部科学省のカリキュラムをこなしていく必要が出てくるため、選択肢もほとんどなくなってきます。小学校の環境に不適応=発達障がいは、個人的には違うと思っています。黒柳徹子が通ったようなとなりのトットちゃんに出てきたような学校、障がいに関係なく誰でも一緒に学べる学校、あったらどんなにいいかと思いますが、なかなか身近には見つけられません。

5歳児健診マニュアルを読んでみると、自分の子どもが5歳のときから知っていたら良かったなという健診内容がたくさん記載されています(全60ページ)。私の子どもが5歳だったら、私は健診を受ける選択をしていたでしょうか。健診を受けたあとに不安が増すのか、それとも親子への支援体制がしっかりして安心につながるのかが決め手になってくるかもしれません。

乳幼児健診について(こども家庭庁:令和6年11月20日)(13ページ)