先生ができる工夫

今日は幼稚園や学校の先生がクラスでできる工夫について5つご紹介したいと思います。

発達障害があってもなくても、この感覚に優しい環境づくりの工夫が役に立つと思います。

1.ブレイン・ブレイク
一般的に10~15分ごとに休憩をすると学習効果が上がると言われています。ブレイン・ブレイクは、立ち上がってストレッチをしたり、30秒間YouTubeを見てダンスや体を動かしたり、クラス内の別の場所やステーションに移動するだけでも大丈夫。

学校の廊下に感覚運動ウォークを設置すれば、クラスの移動中やお昼休みに教室に戻る前に使うことができます。

ブレイン・ブレイクは、落ち着かせるタイプの活動で締めくくることが重要です!

2.座席

Wobblyシート、ぐらぐらシート、エクササイズボール、ロッキングチェアやビーンバッグチェアなどをクラスに取り入れることができます。息子の学校でも、発達障害はないけれどもゆらゆらしている方が集中できると使いたいと希望する生徒もいました。

3. 照明
蛍光灯は非常に明るく不自然なだけでなく、「ブーン」というノイズを発生させることがあます。聴覚入力に過敏な子どもにとっては気が散ってしまうかもしれません。代わりとなる照明したり、自然光を取り入れたりと教室には感覚にやさしい証明をつかいましょう。

4.感覚コーナーやスペースを設置する

ロッキングチェアーやビーンバッグチェアー、心を落ち着かせるセンサリーボトル、呼吸法カード、呼吸法のポスター、本、紙、クレヨン、フィジット、簡単で音の静かなアクティビティなどを用意しましょう。

5.視覚支援

時間割など決まっているルーティンには視覚的なスケジュールを使う
アクティビティや環境間が変わる際には視覚的なタイマーを使う(タイムタイマー、YouTubeにあるビジュアルタイマーなど)

子どもと自分のために

言葉がまだ出てこない自閉症のお子さんを持った保護者からあるお話を伺いました。家で遊んでいたときに口におもちゃを入れてつまらせてしまったそうで、本人も言葉も出ないし、お母さん自身もどうしたらよいかわからなくて怖かった、というお話でした。それを機に子どもを救うためのFIRST AIDの知識とスキルを持っている重要性を感じたというお話でした。

発達障害がなくても、小さいお子さんですと鼻の穴にものを入れることに興味を持つ子がいたり、なんでもまずは口にものを入れて、口で物体を理解するというお子さんがいます。また、1歳以下の子どもは何でも口に持っていこうとしますよね。

私達は自分たちと違う言葉を使う国に住んでいるからこそ、助けを待っている時間は緊急時にないこと、救急システムが日本と全く違う国に住んでいるからこそ、おでかけ先でも起こる可能性があるからこそ、First Aidの知識を持っていることはとても重要です。

もし子どもになにかあった時、周りに知識を持って助けにきてくれる人はいますか?いつも子どもの周りにいる幼稚園や担任の先生や保護者のあなたがFIrst Aidの知識とスキルがあるのは、いざというときに子どもを助けられるかどうかにつながっていきます。

今月末、FMPの小児専門医・救急専門医の杉浦先生を講師に実技講習会を開催します。この機会をお見逃しなく。

限定12名ですので、お早めにお申し込みください。

申し込み:(5/16 締め切りました。)

https://forms.gle/ABBhcs5FGDBpFLBV9

SAMさん、9月にハノイへ!

前回3月にカンボジアで行われたSENIAの国際学会にメインスピーカーとして招かれたSam Drazinさん。

9月中旬にUNISにスピーカーとして招かれ、ハノイへ来ることになったと連絡がありました。

アメリカヴァーモント州で生まれたSamさん。稀な先天性障害であるトリーチャー・コリンズ症候群を持って生まれた彼は、数々の手術を受け、差別を経験し、大学を卒業してから教師となりました。その後、現在はカリフォルニア州サクラメントでChanging Perspectivesという団体を立ち上げ、アメリカ国内や世界中の学校ですべての生徒に公平な学習環境を育成するために教師教育や家族支援して回っています。

カンボジアでお会いしてから連絡はとっていたものの、こんなにも早くそれもハノイで再開できるとは思ってもいませんでした。ハノイにいる間に自分の学校に来て話をしてほしい!というところがあれば、是非こちらに連絡をしてみてください。

Changing Perspectives:Mr. Sam Drazin https://changingperspectivesnow.org/

ヘビーワーク?

ヘビーワーク(Heavy Work)という言葉を聞いたことありますか?この用語は作業療法士(OT)がよく使います。

ヘビーワーク(HW)は、私達の学習能力、集中力、注意力、日常生活に重要な役割を果たしています。私たちは皆、筋肉や関節を通して固有受容覚を取り入れることによって、心を落ち着かせたり、感覚を調整しています。今日は、どのようなときにヘビーワークを取り入れられるのか、そして具体的なヘビーワークについてご説明します。

ヘビーワークを行うタイミング
HWの魅力は、家庭でも教室でもセラピーの場でも簡単に取り入れられることです。生活にHWを加えることで感覚処理能力の発達を促すことができます。また、普段からHWを取り入れることで、子ども自身の知識やスキルにつながっていきます。

朝の登校前や下校時や就寝前の日課としてHWを取り入れることで、感覚を落ち着かせ、安らかな気持ちにさせることが可能です。

具体的なヘビーワーク

ここでは5つのHWをご紹介します。我が家では子どもが小さかったときはジャンブのHW。特にトランポリンやポゴスティック、中学生になってからは懸垂や腕立て伏せなど、年齢や興味によって好きなHWが変わりました。まずは子どもが好んでする活動から取り入れていきましょう。

1.重いものを押す
椅子に座って、左右の手のひらを椅子の座面につける。腕を押し、お尻と足を椅子の座面から数秒間浮かせる
箱を押して部屋を横切る:箱に本やおもちゃを入れ、箱の前にひざまづく。箱を押して部屋を横切る
洗濯かごに洗濯物を入れ、それを押して家の中を移動する(床にキズがつかないようにMontessoriのお仕事で使う小さいラグや玄関マットをかごの下に敷くと良い)
大きなセラピーボールを床に沿って押し、できるだけ高い位置まで壁を上る
ショッピングカートやストローラーを押す
手押し車での歩行
ワゴンやそりを引く
ブランコに乗っている人を押す

2.引く力

綱引き
懸垂バー:ぶら下がるだけでもOK
セラバンドや伸縮性のある素材を引っ張って伸ばす
壁腕立て伏せ:壁に手をついて腕立て伏せをする
椅子腕立て伏せ:椅子の座面に座って腕立て伏せをする

3.ジャンプ

トランポリン
床に敷いたマットレスやソファーのクッションの上でジャンプする
ロケット・スタート:しゃがんで両手も床につける。10数え、両手を上げて空中に飛び出すことを数回繰り返す
小さなセラピーボールの上に座り、上下に跳ねる
持ち手のついたホッパーボールやポゴスティックを使えば楽しく跳ねることができます

4.持ち上げる

重いものを持ち上げたり、買い物袋を運んだり、本を入れたリュック、洗濯物の入ったカゴなど重いものを運んだりする

5.噛むこと&吸うこと

顎、頬、舌、首を通した感覚入力もHWになります。おっぱいを飲むと赤ちゃん落ち着きますよね。

ガムやドライマンゴーなどのドライフルーツを噛む
ヨーグルトや濃厚なミルクセーキなど、ストローで飲み物を飲む
かみかみネックレスやおもちゃを用意する
息を吹く(シャボン玉、または風車など)
おせんべいなど歯ごたえのあるお菓子を食べる
上部がストローになっているシッピーカップでスムージーを飲む
ストローを使って紙片を吸う。 ストローだけを使って、紙片を慎重にコップに移す

たくさんできることがありますね。