学びのユニバーサルデザイン(UDL)

Universal Design for Learning (UDL)学びのユニバーサルデザインと言う言葉を聞いたことがありますか?

クラスには様々な子どもが学んでいます。目から入る情報を覚えるのが得意な子、手を動かして覚える子、耳で聞くとよく理解する子、常に体を動かしている方が勉強に集中できる子、音楽やリズムが背景にあると集中できる子、その他色々いるかと思います。

様々な子どもたちが自分の能力を発揮できるように学習経験を様々な形で提供できるように考えられたのがこのユニバーサルデザインのガイドラインです。

大まかには3原則に分かれています。こちらについは、秋田比内養護学校のチャンスチャレンジチャンジ28号にて紹介されていたUDLからご紹介します。

〈学びのユニバーサルデザイン(UDL)の3原則〉

1 情報提示に関する多様な方法の提供 ・誰にでも分かる提示方法(言葉による、文字による、画像による、モデルによる提 示)を示す。教師は自分の得意な方法で教えてしまう傾向がある。それが子どもに 合うと限らない。(教師はしゃべりすぎの傾向がある)

2 行動と表出に関する多様な方法の提供 ・子どものもっている知識を表出する方法(イラストで、文章で、質問に答えて、選 択で表現)に多様性をもたせる。子どもの得意な表出方法を引き出す。

3 取り組みに関する多様な方法の提供 ・勉強するときに、静かな場所がはかどる人もいれば、周りに人がいる方が落ち着く 人もいる。学習への取り組み、やる気を維持させる方法は、人によって、その時の コンディションによって違うので、学びやすい環境を用意する。 教室には、最初からいろいろな子どもがいることを前提にして、一つのやり方をみん なで行うのではなく、どの子どもにも分かる授業、効果的な指導を多様に用意する。

〈学びのユニバーサルデザイン(UDL)のキーワード〉

1 オプションの提供:複数の手立てを用意しておくことで、学習者が自分に合っ た方法で学べる。

2 代替手段の提供:必要に応じて、別の方法でも同等の学習にアクセスできる ようにする。(書くことが難しければ、絵で表す)

3 必要に応じた段階的な支援の提供:何らかのスキルを獲得し、自動化するまでの過 程で必要な支援を得られ、かつ、外していける。

ー秋田比内養護学校 特別支援教育専門監通信No28より

授業で一方的に生徒に教えるのではなく、様々な子どもの特性に合わせて教える。これは、教員の知識も大切ですが、学校の人員や学習リソースの確保も課題になってくると思います。自分の能力が発揮できる教室、とても理想的だと思います。

こちらに日本語でわかりやすく学びのユニバーサルデザイン(UDL) が表にされています(Version 2.2) 。現在新しいガイドライン、Version 3.0を作成中です。

学びのユニバーサルデザイン(UDL)に基づいた授業実践についての論文はこちらから

PDAとは?

以前、反抗的挑発障害(ODD)について取り上げましたが、現在PDA(Pathological Demand Avoidance)について学んでいます。PDAは日本語では病的要求回避と訳されています。PDAについて私は理解不足のため、ODD とどのように異なるのかまだはっきりわかりません。PDAはよく自閉症の子や感覚統合に課題のある子どもに見られる症状の一つだということです。これからもっと詳しくお伝えできるように学習をしていきたいと思います。

こちらにPDAの症状や支援策が詳しく紹介されています(英語)。

https://childmind.org/article/pathological-demand-avoidance-in-kids/

 

字を書くのが嫌い?

お子さんは、どんなえんぴつを使っていますか?

字が汚い、文章を書くのを嫌がる。周りにたくさんいるかと思います。
皆さんはどうしてか考えたことがありますか?
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もしかしたら、きれいに書く理由がわからず、努力をしていないのかもしれませんが、
努力をしても書くことに課題が見られる場合は他に理由があることを知りましょう。
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手と目の連動に課題がある
微細運動の遅れ
手の力の強弱コントロールができない
肩が安定していない
何を書くか考えが整理できない
正しい書き方がわからない
など、まだまだ考えられます。
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今日はえんぴつに焦点を当てたいと思います。
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息子は現在4Bを使っています。HBから8Bまで試してみた結果、一番4Bが使いやすいと感じたようです。
8Bだと芯が柔らかすぎて、書きやすいけれども紙が真っ黒になってしまったり、逆にHBだと芯が硬すぎて力を入れて書く必要があり、結果手がすぐ疲れて書く作業が嫌になってしまうことがわかりました。
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他の理由を改善していくには時間がかかりますが、えんぴつはすぐ対策ができるので色々試してみるのをおすすめします。

反抗的挑発障害(ODD)

どんなにお行儀が良い子どもでも、当然時には気難しくなったり、挑戦的になることがあります。
けれども、家でも学校でも毎日常にイライラ怒っている行動はもしかしたら助けてというサインを送っているのかもしれません。親や教師など人に対して理由もないのに苛立ってしまったり、口ごたえをしたり、反抗的な態度を取ったりなど継続的なパターンを持つ子ども。その中には反抗的挑発障害(ODD)と診断される人もいます。ODDには、恨みを買ったり復讐しようとしたりする、執念深さと呼ばれる行動も含まれます。
こうした感情や行動の問題は、家庭生活、社会活動、学校、仕事に深刻な問題を引き起こしてしまいます。ODDの治療には、肯定的な家族関係を築き、問題行動を管理するためのスキルを学ぶことが良いと言われているそうです。また、薬が必要になることもあるようです。
もしずっといつも怒っていたりイライラしていたらこのサインを見逃さず、学校の担任、カウンセラー、医師、保護者でチームを組み、話し合いながら子どもと一緒に支援をしていくことが大切です。
お子さんの落ち着ける活動はなんですか?落ち着けるスペースを設けていますか?時間を十分に与えていますか?

ABA: 自閉症児ケアセンターin Hanoi

ABA(応用行動分析学)は、ASD(自閉スペクトラム症)をはじめとする発達障がいのある子どもの支援など、発達支援の分野でも多く用いられています。私の行っているDIR/FloortimeはABAの行動に着目をする支援とは別の発達に基づく支援法です。
ABAでは、人間の行動の基本原理にもとづき、うまくいく行動を増やすことで、相対的に困っている行動を減らすための働きかけをおこないます。
今月ハノイでそのABAセラピーを行うセンター「ABA Care」がオープンします。セラピストはアメリカで資格を取得、彼女の他にも行動分析士や言語聴覚士も在籍しているそうです。言語は英語とベトナム語になります。
ご興味のある方は、ABA Careに直接問い合わせをお願いします。