噛み癖の理由 3/4

今回は噛み癖の理由を3つ投稿したいと思います。

1.身体認識/プロプリオセプション(固有受容感覚)

2.口腔知覚過敏

3.集中力

 

固有受容感覚

私たちは五感を通じて周囲の世界を処理していますが、そのうちのひとつに、プロプリオセプション(固有受容覚)と呼ばれる「第六感」があります。 プロプリオセプションとは、私たちの身体が時間と空間のどこにあるのかを知る能力のことです。
関節や筋肉からの動きを処理することで、身体の位置を把握するのです。

子どもたちがこの情報を適切に解釈することが難しくなると、さまざまな問題が起こる原因にもなります。 物にぶつかったり、学校で一列に並んでいるときに無意識に他の子どもに手足が当たってしまったり、運動制御がうまくいかなかったり、「くねくね」してじっとしていられなかったり、集中できなかったり、など色々考えられます。

じっと座っていることを求められたり、何らかの理由で適切な量の固有受容入力(動き)が得られない場合、子どもは自分で自己調節しようとすることがあり、これが噛み癖となって出てくる場合もあります。 なぜなら、噛むことは自分でコントロールでき顎への固有受容入力になるからです。

口腔知覚過敏

「口腔知覚過敏」と呼ばれる症状がある人がいます。
よりわかりやすい例えを使うなら、何らかの理由で指の感覚が鈍くなっていると想像してみてください。 あなたならどう対処するでしょうか? おそらく、物を強く押したり、物を強く握ったり、手触りの良いものや触覚情報の多いものを探したりするでしょう。

同様に、口腔への意識が乏しい人は、歯ごたえのあるものを食べたり、口の中に食べ物を詰め込んだり、歯ぎしりをしたり、食べ物でないものを噛んだりするなど、口腔からのフィードバックが増えるような行動を求めることがあります。 噛むことでカラダを目覚めさせていることも考えられます。

集中力

試験中勉強中にガムを噛んだことはありますか? あるいは、何かに集中しようとしているときにペンのキャップや鉛筆を噛んだことがありますか? もしそうでなくても、そうしている人を知っている可能性は高いと思います。テレビでアメリカの野球をみると選手はよくガムを噛んでいますよね。また、あるアメリカの学校でも授業中にガムを噛ませるところがあるそうです。 噛むことは集中力を高め、他の雑念を遮断するのに非常に効果的な方法だからだ、というのがその理由です。 また、噛むことで顎から首にかけての筋肉が活性化され、特に運動計画が苦手な子どもにとっては、地に足がついた安定感を得ることができるからです。

ホーチミンでSENIA学会が終わりました

参加人数400人以上。今年の学会のテーマは「Design for Inclusion」(インクルーシブなデザイン)と題し、3月の1日から3日間International School of HCMCで様々な国から教師や専門家などが集結しました。
日本で活動する専門家や、息子の学校の先生方も数名参加されました。
来年度のSENIA学会は、カンボジアプノンペンです。
2025年3月7〜9日にInternational School of Phnom Penh (ISPP)で予定です。

3月ランチ会のお知らせ

SENIA(特別支援教育ネットワーク・インクルージョン協会)とニューロダイバースファミリーのランチ会が
3月18日にタイホー地区のNaco Tacoレストランで12時から開催されます。
どなたでも参加できますので、下のQRコードからお申しみください。
またランチ会についてご質問がある方は、info@affectpathways.comまでお問い合わせください。

ADHDのお薬

ベトナムではADHDのお薬のチョイスはコンサータのみ。

ハノイでは時期によってADHDのお薬コンサータが手に入らないことがありました。

あるクリニックでは、コンサータの代わりにブプロピオンを出しているところがありました。ベトナム国内でコンサータの処方は処方許可がある医師しか許されていません。

ブプロピオンの効果について私はまだよく理解できていませんが、コンサータとブプロピオンを比べたチャートがありますので、興味のある方は御覧ください。

https://www.drugs.com/compare/bupropion-vs-concerta

噛み癖の理由 2/4

前回に引き続き噛み癖の理由についてお話します。

【感覚探求 / スティミング】

心を落ち着かせるメカニズムとしての噛むことは、特に自閉症や感覚処理障がい(SPD)を持つ子どもたちによく見られます。

感覚処理に課題を抱えた子どもたちは周りの刺激に対してさまざまな方法で対処するため、ときには特定の刺激に圧倒されてしまうこともあります。例としては、 光が眩しく感じる、音が大きく感じる、 触れると痛く感じてしまうなどです。

スティミングは自己刺激行動のことで、自分自身の情動を調整するために行います。自己刺激行為には通常、袖や襟を噛む、爪やモノを噛む、手をばたつかせる、前後に体を揺らす、物を回す、特定の言葉を繰り返すなど反復的なものが見られます。