大切にしていること

〜助けを求めること、つながること、頼ること、学び続けること〜

私は発達支援士やセラピストとして活動していますが、自身も支援が必要な子どもの子育て真っ最中。親が教育と医療関係者だからといって子どもの問題がなくなることはありません。良くなったこともあれば、支援を長い間継続する必要がある課題、前までなかった思春期絡みの課題が出てくるなど、年齢や周りを取りまく環境の変化とともに、常に新しい課題が出てくるからです。
今は支援士として今まで学んできた知識で支援可能なことをしていますが、同じADHDやASDでも子どもそれぞれに特徴があるため、いつもトライ&エラーの繰り返し。わからないこともたくさん出てきます。そのような時は、他の専門家や保護者とつながったり、新しいことを学ぶことを大切にしています。つながりを持つことから自分が持っていなかった視点や知識を学ぶことがあるからです。毎回学べば学ぶほど自分が知らないことがまだまだたくさんあることに気付かされます。
現在はDr. Ross GreeneのCollaborative and Proactive Solutions(CPS)コースを受けています。子どもの課題に大人が対応策を決めて押し付けるのではなく、話し合いができる場合子どもの同意を得ながら一緒にどのように課題に取り組んで解決していくかという実践練習コースです。実際に課題を子どもと一緒に話し合い、それをレコーディングして講師やクラスメイトに共有、フィードバックに基づき練習を繰り返しながら学んでいきます。
このコースもあと1回で終わりになります。クラスメイトは主にカナダやアメリカから参加していますが、国は違っても同じ悩みを抱えていることがわかったり、練習で失敗したりうまくいかなかったことをオープンに話し合ったりなどいつもクラスに参加するのが楽しみです。
日本語の翻訳本はまだ売られていないようですが、子どもと共同で課題を解決する方法を学んでみたい方はDr. Ross Greeneの著書「Lost at School」 、「The Explosive Child」や「Lost and Found」を是非読まれてみてください。

ベトナム人教師の集まり

本日、SENIA Vietnamでベトナム人教師の集まりを開催しました。以前、別に英語話者でインターナショナルスクールで働く教師の集まりがありましたが、どちらの参加者も子どもへの想いは一緒だと感じて帰ってきました。
市内の学校でスクールカウンセラーとして働き、SENIAの役員も務めるベトナム人カウンセラーがファシリテーターとなり、英語とベトナム語でさまざまな話し合いが行われました。参加している教師の中にも、大人になってからADHDの診断を受けた人や自分の子どもや家族にもニューロダイバージェントな人がいるなど、なかなか他人に言いづらいことを共有してくれる参加者もいました。
ニューロダイバーシティーについて関心があり、自分の担任する生徒を支援する方法を知りたい、他の専門家と繋がりたい教師やカウンセラーの人たち。それぞれが今自分たちが直面している課題を共有し、お互いが知っている支援リソースやアプローチの仕方を分かち合ったとても有意義な時間となりました。

面白おかしいクラスの人気者

いつも面白くお友達を笑わせているクラスメイト、いままでいませんでしたか?

私の中学のクラスメイトにもそんな男の子が一人いました。彼は殴り合いもして顔にあざを作って登校してくる、悪として知られるけれどクラスでは面白おかしく、そして優しく思いやりのある人気者でした。成績といえば、いつも学年300人いた中の最後から5番目あたり。そんな彼のように授業中悪ふざけをして周りの生徒を笑わせたり、授業を中断してしまうクラスメイトが今お子さんのクラスに居るかもしれません。

人を笑わせたり悪ふざけをしてしまうといった行動の裏には、本人や周りも気づいていないメッセージが隠れているかもしれないことを今日はお伝えしたいと思います。

こんな生徒は知りませんか?

教師が呼びかけると、くだらない答えをする。

極端に大胆で面白い。

教室に入ってくるときに騒々しく登場する。

物を落として大騒ぎする。

クラスで子ども達がこのような行動をとった場合、しばしば問題になる事ことがあります。また、いつもふざけていると授業に支障をきたして先生を困らせます。中学校などでは懲戒処分を受けることもあるかもしれません。成績にもすでに影響がでているかもしれません。

このような行動は、そのうち子どものクラス内外での社会生活にも影響を及ぼしてきます。悪ふざけを面白いと思い、いつもふざけている子どものそばにいたがる子ども達もいると思います。しかし多くの場合には、子供たちは仮面を被ったピエロのような行動を面白くはなく、へんなやつ、うっとうしいなどと思い、敬遠していくことも考えられます。

 

ではこのようなピエロの行動をする子どもをみたとき、周りの教師や大人は何を思えば良いのでしょうか?

子ども達がこのようにピエロを演じる理由はさまざま考えられます。好意的な反応が返ってくるなら、注目されるのが好きなのかもしれません。

自制心に問題のある子どもは、面白いと思うことをしたり言ったりしたい衝動を抑えるのが難しいのかもしれません。衝動性の特性あるADHDの子ども達は、しばしばそうすることがあります。思いついたら、結果を考えずに行動してしまうのです。

自分自身に注意を向けるためではなく、自分が悩んでいることから注意をそらすために(先生の質問に答えられる自信がない、答えの導き方がわからない、など)授業中に行動を起こすこともあります。課題を隠すためにピエロになるのです。子ども達が隠そうとする例をいくつか挙げてみましょう:

不安(わからなかったり、笑われたり、バカにされたり、間違うのを恐れているなど)

いじめ

学習についていけない

集中力や整理整頓が苦手

衝動的または多動

社会性に問題がある

家庭でのストレスの多い状況

自尊心の低さ

子どもは特に問題を起こそうとしているわけではありません。自分の弱い部分を隠そうとしているだけなのです。学校に遅刻ばかりして笑われるより、教室に入る際に大声で登場してみんなを笑わせる方がいい。ピエロになるのは、批判を先回りするためであることが多いと考えられます。もちろん面白い子どもの中には、ここに挙げられていることと全然関係のない子どももいます。一度「どうしてだろう?」とピエロ的な行動をする子どもに興味をもってあげることが支援の第一歩になると思います。

今思うと、私の中学の同級生ももしかしたら家庭でのストレスがあったり、集中力に苦手を感じていたり、勉強についていけないことが自尊心の低さにつながり、ピエロになって自分の心を守っていたのかもしれません。

 

 

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