ABA: 自閉症児ケアセンターin Hanoi

ABA(応用行動分析学)は、ASD(自閉スペクトラム症)をはじめとする発達障がいのある子どもの支援など、発達支援の分野でも多く用いられています。私の行っているDIR/FloortimeはABAの行動に着目をする支援とは別の発達に基づく支援法です。
ABAでは、人間の行動の基本原理にもとづき、うまくいく行動を増やすことで、相対的に困っている行動を減らすための働きかけをおこないます。
今月ハノイでそのABAセラピーを行うセンター「ABA Care」がオープンします。セラピストはアメリカで資格を取得、彼女の他にも行動分析士や言語聴覚士も在籍しているそうです。言語は英語とベトナム語になります。
ご興味のある方は、ABA Careに直接問い合わせをお願いします。

マインドセットと問題解決アプローチ

今私がいつも気をつけていることは自分の考え方や問題解決方法がこのどちらになっているかということです。
1)Kids Do Well If They Can vs Kids Do Well If They Want
2)Proactively and collaboratively solving problem with the child vs Reacting to his/her behavioral issues and giving unilateral order
今回紹介しているFacebookのNeuroWildの投稿にはいつも気づきの機会を与えらます。
このFacebookの投稿を読んでみてください。このイラスト内では先生の声がけに注目がされています。イラスト内で先生が問題がある子に教室の後ろへ移動しなさいと他のクラスメートの前で言っている場面です。このように多動や衝動性が強い子どもがクラスにいると、なかなか思ったように授業が進まないことがあります。先生も困ってしまうため、このような問題解決法をとるのです。
子どものころ話が止まらず、授業中先生に廊下に立たされた、校庭を何周も走らされたという友達がいます。また今でも廊下に出て一人で活動しなさいと教室から出される子どももいます。授業を進めるために生徒を邪魔にならないところへ移動させ解決しようとしますが、残念ながら同じ子どもがいつも同じことを言われてしまうのです。
教師がいつも同じ子どもに対してこのような態度や反応的な対処をしているとどうなるでしょう。周りの生徒達はイラスト内のような考えを持ち始めます。これがいじめや偏見につながっていく一つの理由になってくるのです。
教師は子どもの行動が起こってから反応的(Reactive)に対処しているだけで、期待される行動に必要なスキルを一緒に育てていかないと生徒は継続的に同じことをくりかえしてしまいます。年齢が上がったからと言って自動的にスキルはつくものではありません。年齢が上がったから他の言語をペラペラ話せるようにならないのと一緒で、誰にでも学びと練習の機会が必要だからです。
Kids Do Well If They Can 必要なスキルが身につけば 期待にも答えることができる。これは先生にも当てはまると思います。Teacher can do well if they can だと思います。先生の学びの機会や支援も大切だと思います。

前庭覚を刺激するおもちゃ

子どもの時に遊園地でぐるぐる自分で回すコーヒーカップに乗ったことありますか?真ん中にあるハンドルを力いっぱい回すと、コーヒーカップが回る仕組みになっています。乗り物から降りるときはフラフラして降りてきますよね。これは、前庭覚に過剰な刺激が入りすぎたからです(Overstimulated)。

ときどき常に歩き回って前庭覚の刺激を求める探求型、全然車酔いをしないなど前庭覚への刺激がきちんと脳に伝わらない低登録型の子どもがいます。このような子どもにはSit and Spin Chairという室内で使うコーヒーカップのようなおもちゃが売られていますので、試してみると良いかと思います。このおもちゃは、前庭覚への感覚導入、体幹の筋肉、手を強くするのに役に立ちます。これを使うとき、子どもは体を支え、手と体幹の力をフルに使って体を回転させなければないからです。教室で長くきちんと座るための体幹を鍛えたり、字を書くときに使う手の筋肉を鍛えるのに最適です。

image borrowed from Mindiamart

 

タレンテッド&ギフティッド教育

ラーニングサポート/特別支援教育を受ける子どもの中には発達障がいはないけれどもタレンテッド&ギフティッドのカテゴリーに入る子どもがいます。知能IQが高いだけに限らず、何かの才能に長けている子どもが対象になります。また、2E(Twice Exceptional)と言われる、発達障がいとタレンティッド&ギフティットの両方を併せ持つ子どももいます。
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私の知っている範囲では、ハノイでグレーゾーンや診断のある子ども達に対しては支援を提供していますが、タレンテッド&ギフティッド子どもに対して支援プログラムを実施している日系の学校やインターナショナルスクールはありません。プログラムはないけれども先生が子どもの能力に合わせて自分で見つけてきた内容を提供しているのかもしれません。
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現地校では自宅の前にTalented and Giftedの子どもが集められているベトナム人のための高校があります。入学条件やどのような教育アプローチをしているかわかりませんが、このような学校は稀かと思います。
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IQが人口の上位2%の人が入れる団体メンサにはメンサキッズというカテゴリーがあります。教師や保護者に対してもレッスンプランや動画のあとにする質問などが用意されており、子どもがどこに住んでいてもアクセス可能な様々なリソースが用意されています。
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アメリカの国籍を持つ人には、Davidson Young Scholars Programという団体があります。日本にはN高校やS高校、インフィニティー国際学園などの特徴的な学校が様々あります。このようなプログレッシブな学校に通っている生徒たちの中にはTalented and Giftedと呼ばれる子どもがいるのだと思います。
東京都には中野にある翔和学園のようなギフテッド教育も行ってくれるフリースクールもあります。こちらがこの学校について取り上げられた動画になりますので、ご覧になってみてください。
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https://www.youtube.com/watch?v=8LooH0RuUEc
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IQが高い=超天才ではなく、生きづらさを感じて不登校になってしまった才能に長けている子どもはたくさんいると思います。日本のギフテッド教育、やっとこれから動き出そうとしているところです。

SENIA Vietnamイベントのお知らせ

5月15日午後5時半からSENIA Vietnamのイベントが会員向けに開催されます。
テーマは「Using coaching in your conversation(英語)」です。学校で生徒に、ご家庭で子どもと話す際に使えるコーチング術についての紹介がありますので、学びにいらしてください。参加申込はQRコードから。
場所はタイホーCork & Bottleになります。