「どこに手があるかわからない」? 固有受容覚の話

今日のテーマは「固有受容覚」です。これは、筋肉や関節から伝わる「身体の位置」や「力加減」の感覚です。

固有受容覚に困難があると:

  • 椅子にきちんと座れない

  • 鉛筆を強く持ちすぎる/弱すぎる

  • 動きがぎこちない

この感覚が不安定だと、「体が思うように動かない」ストレスにつながります。

支援の工夫:

  • 押す・引く遊び(綱引き、クッション相撲)

  • 重いものを運ぶ(お手伝いもかねて)

  • 筋肉を使う遊び(トンネルくぐり、ホースのひっぱり) 英語ではHeavy Workと言われています。他にもたくさん活動が紹介されていますので、ぜひHeavy Workを検索してみてください。

明後日はまとめとして、「8つの感覚」と発達支援の全体像を紹介します。

バランスが苦手?前庭覚の支援アイデア

今日は「前庭覚」について紹介します。これは、頭の位置や動きを感じてバランスを保つ感覚です。

前庭覚のトラブル例:

  • すぐに転ぶ

  • ブランコや階段、滑り台が苦手

  • 動いていないと落ち着かない

このような感覚の課題は、ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに多く見られます。

支援の工夫:

  • ゆっくりした回転遊び(バランスボール、ハンモック)回転遊びについては気をつけることを以前投稿しましたので、そちらも確認ください。

  • 転倒しても安全な空間(クッションやマットを使用)

  • ブランコ遊びで感覚刺激を調整

明日は、体の動きを感じる「固有受容覚」についてお話します。

触覚の過敏・鈍麻とは?支援のヒント

こんにちは。今日は8つの感覚のうちのひとつ、「触覚」について深掘りします。

触覚は「肌で感じる感覚」で、衣服のタグや風、水、他者との接触などにも関わってきます。

触覚の過敏な子の例:

  • 洋服のタグが痛いと感じる

  • 手をつなぐのが苦手

  • 髪をとかされるのが嫌

  • 裸足でビーチを歩けない

鈍感な子の例:

  • 転んでも叩かれても痛みを訴えない

  • 砂や泥に対して抵抗がない

支援の工夫

  • 過敏な子には「シームレスな服」「タグを切る」「手をつなぐ代わりに手のひらをタッチ」

  • 鈍感な子には「マッサージ遊び」「触覚が強調される素材(Wilburger Brush、スポンジ、ざらざら等)を使う」

明日は、バランス感覚(前庭覚)について見ていきます。

8つの感覚とは?感覚統合の基本を知ろう

こんにちは。今日は、発達障がい支援においてとても重要な「感覚」についてお話しします。
多くの人が知っている五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)に加えて、実は人には8つの感覚があると考えられています。

その8つとは:

視覚(見る)

聴覚(聞く)

嗅覚(においを感じる)

味覚(味を感じる)

触覚(ふれる、感じる)

前庭覚(バランス感覚)

固有受容覚(身体の位置感覚)

内受容覚(内臓の感覚や体内の状態)

発達障害を持つ子どもたちは、これらの感覚のうちどれかに過敏または鈍感であることが多いといわれ、生活に困りごとが出ることがあります。

明日は、これらの感覚の中から「触覚」に焦点を当てて、具体的な支援について考えていきたいと思います。