ニューロダイバーシティー本の紹介

日本にDIR/Floortime セラピーを紹介した元マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授でメディアラボの前所長、現在千葉工業大学学長の伊藤穰一さんと、まちの保育園代表の松本理寿輝さんがニューロダイバーシティーについて書いた本『普通をずらして生きる』が4月1日に出版されます。
日本国内でもニューロダイバーシティーについて多くの人に知ってほしいと思います。

噛み癖の理由 4/4

これまで、噛み癖の理由を4回にわたってお伝えしてきました。

噛む理由にはいろいろあるのだ、ということを理解していただけたら嬉しいです。

 

ピカ(Pica)

ピカは、ただ噛むだけでなく、食べ物以外のもの(紙、粘土、砂、自分のウンチなど)を食べたいという欲求が特徴です。 もしお子さんが噛んでいる理由がこれだと思われる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

歯の噛み合わせ

6歳臼歯が生え始めると、子供が安心するために噛むようになるのは珍しいことではありません。 これが原因であれば、歯が生え揃う頃には治るでしょう。

Gチューブ

病気や手術などを理由に口から食べられなくなっても、何かを噛みたくなったりすることがあります。 経管栄養中にチューイングツールを噛むことで、その欲求を満たしてあげましょう。

退屈感/習慣

人にはそれぞれ癖があります。 そしてまた、子どもが退屈していれば、安全かどうかにかかわらず、噛める可能性のあるものが常に近くにあると噛んでしまい、クセになしまうこともあります。

噛み癖の理由 3/4

今回は噛み癖の理由を3つ投稿したいと思います。

1.身体認識/プロプリオセプション(固有受容感覚)

2.口腔知覚過敏

3.集中力

 

固有受容感覚

私たちは五感を通じて周囲の世界を処理していますが、そのうちのひとつに、プロプリオセプション(固有受容覚)と呼ばれる「第六感」があります。 プロプリオセプションとは、私たちの身体が時間と空間のどこにあるのかを知る能力のことです。
関節や筋肉からの動きを処理することで、身体の位置を把握するのです。

子どもたちがこの情報を適切に解釈することが難しくなると、さまざまな問題が起こる原因にもなります。 物にぶつかったり、学校で一列に並んでいるときに無意識に他の子どもに手足が当たってしまったり、運動制御がうまくいかなかったり、「くねくね」してじっとしていられなかったり、集中できなかったり、など色々考えられます。

じっと座っていることを求められたり、何らかの理由で適切な量の固有受容入力(動き)が得られない場合、子どもは自分で自己調節しようとすることがあり、これが噛み癖となって出てくる場合もあります。 なぜなら、噛むことは自分でコントロールでき顎への固有受容入力になるからです。

口腔知覚過敏

「口腔知覚過敏」と呼ばれる症状がある人がいます。
よりわかりやすい例えを使うなら、何らかの理由で指の感覚が鈍くなっていると想像してみてください。 あなたならどう対処するでしょうか? おそらく、物を強く押したり、物を強く握ったり、手触りの良いものや触覚情報の多いものを探したりするでしょう。

同様に、口腔への意識が乏しい人は、歯ごたえのあるものを食べたり、口の中に食べ物を詰め込んだり、歯ぎしりをしたり、食べ物でないものを噛んだりするなど、口腔からのフィードバックが増えるような行動を求めることがあります。 噛むことでカラダを目覚めさせていることも考えられます。

集中力

試験中勉強中にガムを噛んだことはありますか? あるいは、何かに集中しようとしているときにペンのキャップや鉛筆を噛んだことがありますか? もしそうでなくても、そうしている人を知っている可能性は高いと思います。テレビでアメリカの野球をみると選手はよくガムを噛んでいますよね。また、あるアメリカの学校でも授業中にガムを噛ませるところがあるそうです。 噛むことは集中力を高め、他の雑念を遮断するのに非常に効果的な方法だからだ、というのがその理由です。 また、噛むことで顎から首にかけての筋肉が活性化され、特に運動計画が苦手な子どもにとっては、地に足がついた安定感を得ることができるからです。