3月ランチ会のお知らせ

SENIA(特別支援教育ネットワーク・インクルージョン協会)とニューロダイバースファミリーのランチ会が
3月18日にタイホー地区のNaco Tacoレストランで12時から開催されます。
どなたでも参加できますので、下のQRコードからお申しみください。
またランチ会についてご質問がある方は、info@affectpathways.comまでお問い合わせください。

ADHDのお薬

ベトナムではADHDのお薬のチョイスはコンサータのみ。

ハノイでは時期によってADHDのお薬コンサータが手に入らないことがありました。

あるクリニックでは、コンサータの代わりにブプロピオンを出しているところがありました。ベトナム国内でコンサータの処方は処方許可がある医師しか許されていません。

ブプロピオンの効果について私はまだよく理解できていませんが、コンサータとブプロピオンを比べたチャートがありますので、興味のある方は御覧ください。

https://www.drugs.com/compare/bupropion-vs-concerta

噛み癖の理由 2/4

前回に引き続き噛み癖の理由についてお話します。

【感覚探求 / スティミング】

心を落ち着かせるメカニズムとしての噛むことは、特に自閉症や感覚処理障がい(SPD)を持つ子どもたちによく見られます。

感覚処理に課題を抱えた子どもたちは周りの刺激に対してさまざまな方法で対処するため、ときには特定の刺激に圧倒されてしまうこともあります。例としては、 光が眩しく感じる、音が大きく感じる、 触れると痛く感じてしまうなどです。

スティミングは自己刺激行動のことで、自分自身の情動を調整するために行います。自己刺激行為には通常、袖や襟を噛む、爪やモノを噛む、手をばたつかせる、前後に体を揺らす、物を回す、特定の言葉を繰り返すなど反復的なものが見られます。

噛み癖の理由 1/4

指や足の爪、服の襟や首元、食べ物やガムを食べていないと落ち着かないなど、噛み癖があるお子さんを見たことがありますか?その場合は、どうしてだろう? と考えて観察してみることが大切です。

さまざまな答えがあり、一概には言えませが、私が見ている子ども達には、次のような理由があります。これから4回に分けて理由を9つほど投稿していこうと思います。

[ストレス/不安]
なぜ噛んでしまうのかについて、最も一般的な説明は、ストレスや不安が原因だということです。 噛むことで顎の固有受容覚(Proprioception)に感覚刺激が入り、落ち着くことができます。 緊張すると爪を噛んだり、歩いてまわったり、深呼吸をしたり、貧乏ゆすりをするのと似ています。 また、赤ちゃんのときに、哺乳瓶やおっぱいを吸ったり、何でも口に入れて噛んでみたり、しゃぶったりすることが、赤ちゃん自身の落ち着きを取り戻すための行動につながってることからもわかると思います。
噛むことは私たちがストレスに対処するために備わっているメカニズムです。

噛むことは普通、ストレスの量に比例して増加し、また子供がストレスにどの程度対処できるかに比例して増加します。
噛む行為は一番簡単で、常に噛める対象物が近くに見つけられること、自分で何を噛むかコントロール・自己決定できることなどから私達が自分を落ち着かせるために使える一番簡単な方法なのです。

自律神経とポリべーガル理論

脳と神経系は心臓の働きをサポートしています。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感は、身の回りのあらゆるものの情報を脳に伝えます。心臓がスピードを上げる必要があるときに脳は指示を出します。
心臓へメッセージを送る直通線が自律神経系です。これは脳の一部で、眠っているときでも意識することなく働いている神経です。この自律神経は交感神経系と副交感神経系に大きく分けられます。

一般的に、交感神経と副交感神経は次のように働きます:

【交感神経】
交感神経は「闘争か逃走か」の反応を引き起こします。緊急事態における心拍数や血圧の上昇を管理しています。
【副交感神経】
副交感神経は交感神経のバランスをとり、特に闘争・逃走モードに入った後の自然なリラックス反応をコントロールします。副交感神経は、心拍数や血圧を緩やかにし、特にリラックスしているときに働きます。
この2つの神経系がどのように連動しているのか、例を挙げてみます。
自分が危険にさらされていると思ったり、怖くなったり、驚いたり、何かに不安を感じたりすると、交感神経系が働いて闘争・逃走反応が始まります。アドレナリンが分泌され、より早く反応できるようになります。運動によって筋肉がより多くの血液と酸素を必要とする場合に備えて、心拍数が上がります。
闘争・逃走モードに入った状況が終わると、副交感神経系が主導権を握ります。副交感神経は心拍数を下げ、血圧を下げます。副交感神経はまた、身体のさまざまなシステムにリラックスするよう、あるいは普段の働きに戻るよう指示します。

【ポリべーガル理論】

これに加えて1995年にStephen Porges博士が自律神経系を交感神経、副交感神経の2種類とする従来の理論に加えて、「社会交流システム」というコンセプトを新たに持ち込んだポリべーガル理論を唱えました。
これは、自律神経には系統発生的に、背側迷走神経(副交感神経系)、交感神経、腹側迷走神経(社会交流システム、Social Engagement System)の3種類に別れ、もっとも新しい社会交流システムの腹側迷走神経は、哺乳類にのみ存在するという理論です。

現在私はAutism Spectrum Disorder Clinical Specialist Intensive Training コースを受講中です。様々な講義の中でもPorges博士のポリべーガル理論が取り上げられています。