脳にはオーケストラのコンダクターのような働きを担う実行機能があります。目標を達成するために自分の行動や思考、気持ちを調整する脳機能で、計画を立てたり、環境の変化を読み取って自分をコントロールするなど、さまざまな機能をまとめる脳のコンダクターとも言われています。
ここは25−26歳頃に完成し、脳の機能の中では一番最後に発達する部分です。
あなたも周りに時間にいつも遅刻してきたり、忘れ物をしたり、とっ散らかっている大人はいませんか?反対に、すごい整理整頓が得意な人や、計画するのが得意な人はいませんか?実行機能の弱い部分、強い部分があることによってそれぞれ得意・不得意となってあらわれてきます。実行機能スキルは子どもの人生と学校での成功を予測するとまで言われています。
実行機能のスキルは色々ありますが、基本的なスキルがこちらになります。どれも大切なスキルだと思いませんか?あなたは何が得意で何が苦手でしょうか?ADHDの子どもはこの実行機能が3−4歳ほど遅れて成長していると言われています。同じ年齢の子どもが求められる期待値に届くよう、毎日一生懸命努力をしていることを心にとめておきましょう。また足りない実行機能は、訓練をしたり工夫をしてなるべく本人が生活しやすいように、本人の知識をつけていってあげましょう。
計画を立てる: 計画を立てる、目標を設定する、仕事に優先順位をつける。
整理整頓: 自分の行動を把握し、考えや資料を整理する。
問題解決 新しい状況に適応し、問題を解決する。
注意力: タスクに集中し、注意を払う。
感情のコントロール: 感情や衝動をコントロールする。
自制心: 衝動を抑え、課題に集中する。
ワーキングメモリー: いつ、何をすべきかを記憶する。
柔軟性: ギアを切り替えてタスクをこなす能力。
(それぞれの実行機能スキルがつく時期は年齢によって変わります)