Affect Pathwaysでは、DIR®の枠組みを基に発達支援に取り組んでいる他、聴覚情報処理に問題を抱えるお子さんには、音楽療法The Safe and Sound Protocol™(SSP) を実施しております。
音楽療法The Safe and Sound Protocol™(SSP)は、耳介の迷走神経を刺激することで神経を調整する療法です。
SSPは、聴覚過敏を軽減し、人間の音声処理能力を改善することで、社会的コミュニケーション障害を改善する目的で使われています。これは、スティーブン・ポージェス博士によって開発されたもので、迷走神経を通じて心と体がつながっているというポリべーガル理論に基づき、人間の発話の特定の周波数にチューニングされたフィルター音楽を用いて、耳介まで伸びている迷走神経機能を通し、聴覚処理機能を改善させていく治療法です。
発達に困難を抱えるお子さんは、非言語的コミュニケーションと言語的コミュニケーション、さらに感情表現を含む社会的困難を経験しています。ASD児は、特に聴覚過敏を経験する傾向があり、特定の周波数、大きな音、複数の音が混ざった音に苛立ちを覚えることがあります。この音楽療法の最終的な目標は聴覚処理能力を改善し、ストレスへの対応を向上させることです。
プログラムについて
SSPは3つのプロトコール(SSPコネクト、SSPコア、SSPバランス)プログラムがあり、それぞれ5時間の音楽リストで構成されています。資格のある認定された専門家の指導の下で簡単なアセスメントを受けたあと、結果に基づきSSPコネクトプログラムから行われます。
各プロトコールは、Affect Pathwaysでは大きな聴覚処理問題を抱えていない子どもには最初はほんの数分、慣れてきたら最大15−30分まで、聴覚処理に大きな問題を抱えている子どもには数秒から数分をゆっくり繰り返し、様子をモニタリングしながら行います。
各プログラム終了後およそ8週間後の効果には、以下の改善が報告されています。
安心感を育み、社会的関係を築く方法を改善する。
他者からの信号の受け取り、処理、対応が改善する。
Interoception(体の中からの感覚)がよりわかるようになる。
感情の制御を向上させ、過度の反応を抑制する。
SSP™の初期バージョンを使用したASD児の先行研究では、聴覚処理、リスニング、聴覚過敏を含む感覚問題の改善が報告されています。
SSP™は、ご家庭で行うホームプログラムと専門家の監視下で行うプログラムがあります。SSP™は普段流れている音楽を聞くのとは違い、治療目的で調整された音を聞く強力なツールになります。早くプログラムを進めすぎと、子ども本人が圧倒されてしまうので、遅すぎるのではと感じるくらいのペースで、本人の様子を伺いながら行うことが必要です。このような理由から、Affect Pathwaysでは、モニタリングを重要視しているため、保護者の監視のもと行うホームプログラムは行っておりません。
SSP™は単独のセラピーとしても、他のセラピーと併用することができます。
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音楽療法とポリべーガル理論について
SSP™について(英語)